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オープンアクセスジャーナルと非オープンアクセスジャーナルの違い (スコア:2, 興味深い)
オープンアクセスジャーナル(PLoSやBMC *など)に公表せず、内容へのアクセスに条件(学会加入や購読料の支払いなど)のあるジャーナルに公表するのは何故か、という話ならば、理由は簡単です。
オープンアクセスジャーナルはとても支払えないような超高額の掲載料を要求されるからです。
ジャーナルにもよりますが通常10万円以上は取られます。
それに対して、内容へのアクセスに条件があるジャーナルは読者がコストを負担するので著者がお金を要求されることは少ないです。
カラー図版を多用していたり、規定のページ数を超えるとある程度のチャージを求められますが、大した額ではありません。
研究費を持っている職業研究者や、そのような研究者との共同研究でお金を出してもらえるのであればオープンアクセスジャーナルでもいい(というかむしろそういう場合は積極的に選ぶ)のですが、そうでない学生が公表するには掲載料を要求されないジャーナルを選ばざるをえません。
私の場合、指導教官との共同研究ではなく単著論文だったのでお金を出してもらうわけにもいかず(教官は出すと言ってくれましたが)、やむなくクローズドなジャーナルに公表しました。
実際にはクローズドなジャーナルでも、大手出版社(Elsevier,Blackwell,Springerあたり)から出されているものはほとんどの大学・研究機関で分野ごとにセットでアクセス権を購入しているため、研究者や学生からはかなりアクセスしやすく、デメリットはさほど大きくないということもあります(とは言え潜在的にはとても大きいデメリットはあるでしょうけど)。
また、オープンアクセスでも認知度の低いジャーナルはクローズドでも認知度の高いジャーナルより優先度が低くなるのは致し方ありません。
PCやネットのリテラシーがほぼ無いに等しいような一流研究者は分野によってはまだ多数派なのです。
それと、オープンクローズド問わず、投稿から出版(オンライン先行出版含む)まで1年以上かかることはここ数年で激減しました。
そんなジャーナルはすぐに風評が立って投稿減少・質の低下・引用減少・インパクトファクター(ジャーナルのPageRankみたいなもの)の減少・廃刊のネガティブスパイラルに入ること請け合いだからです。
というわけで、認知度の高い、掲載無料の査読付きジャーナルがあれば迷わず利用しますね。
もしかしたらコンピュータサイエンスでは既にあるのかもしれませんが、残念ながら私の研究分野(生態学・進化生物学)では今のところ存在しません。
しかしこのところ、大手出版社はめぼしいジャーナルの請負を増やして寡占が進み、購読料の大幅値上げと購読紙の激減が続いています。
このままの状況が続けば、いずれは掲載無料のクローズドジャーナルより掲載料が高額でもオープンアクセスの方が良いということは起こるかもしれません。
そのうち、お金持ちにしか公表できないオープンアクセスジャーナルと、お金持ちしかアクセスできないクローズドジャーナルだけの世界になってしまうかもしれませんね。
現状では、かつて情報流通の担い手であった出版社こそ情報流通の最大の阻害要因となっていると言えます。
オープンアクセスで行こう (スコア:1)
1. 雑誌の売り上げでまかなうか
2. 投稿料でまかなうか
の問題があります。
それなりに大きな学会で購読者が多ければ 1. が成り立ちます。
それなりにジャーナルの権威があって、投稿者の権威付け(?)になれば 2. です。
しかし、小さな学会で売り上げも投稿料も期待できないとしたら、安い投稿料で発行できるオンライン・フリーアクセス・ジャーナルに行き着くことになります。そのあたりは小さい学会の方が小回りがきくかもしれませんね。
最近は印刷会社で PDF 作成を請け負ってくれますので、ボスをたきつけて学会立ち上げ、公開には J-STAGE を利用なんかいかがですか。冊子体が必要ならオンデマンド印刷という方法もあります。