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ちょっと長くなりますが、5年以上続くデスマーチを1つ語らせて下さい。
5年ほど前、ニッチなシステムを販売するある小さな会社が、身の程もわきまえずに1部上場企業にシステムを提案することになりました。そのクライアントはあまりにも有名な企業で、子会社、孫会社とグループ会社も多数。会社はそのクライアントへの導入実績が今後の売上に貢献すると考え、赤字でも構わないからと受注必達の命を下しました。これがデスマーチ案件の始まりでした。
ベンダが2、3社ほどに絞られた後、システム開発部の技術者がクライアントとの会議に初めて同席しました。そこで、今まで行っていた提案が、絶対に不可能な内容であることが明らかになります。現行製品のカスタマイズで対応できる範囲を大きく超えている要件もあり、基本設計から作り直さなければ対応できないような内容でした。システム部の人数も少ない会社でしたので、総動員しても納期には間に合うはずがありません。
開発責任者は、現行の製品をベースにする限り対応は不可能と判断し苦言を呈しましたが、彼の抵抗も空しく受注してしまい、「反抗的」な開発責任者を外した開発チームによる無謀なプロジェクトがスタートしました。
納期から逆算しただけの無謀なスケジュールはすぐに破綻し、半年も経たないうちにメンバーが徹夜をするようになりました。案の定、納期には間に合わず、一部機能が無い状態で仮納品、その後も開発は続きます。
当時は、クライアントの担当部署も、販売代理店も、失敗したプロジェクトを非難し、責任を追及する「被害者」側にいました。ところが、事態が悪化するにつれて、まずは代理店が、そしてクライアントの担当部署までもが、一心同体となってプロジェクトの外面を取り繕うようになります。このプロジェクトが失敗することで、自分のクビが危ういのはどの会社の人間も同じなのです。
販売代理店は途中で抜けたらしいのですが、クライアントの担当部署とプロジェクトチームが赤字を垂れ流しながら、今もなおシステムの改善とバージョンアップを繰り返しているそうです。去年あたりに、ようやく当初の要件を全て満たせるようになったらしいのですが、不具合が多く、まだプロジェクトは続いているとのことでした。
私は「反抗的」な開発責任者の下にいましたので、直接デスマーチには参加していませんし、会社の業績が悪化して別会社に吸収される時に辞めてしまったのでその後の詳しいことはわかりません。ただ、私が身近で見たいわゆるデスマーチというものは、これが最初で最後だと思います。
こんな感じ?1、開かずの扉。2、一人、また一人と消えていく社員。3、誰もいないはずなのに、夜な夜な人のうめき声が聞こえる開発室。4、開発部の人間は誰一人見たことがないという幽霊部長。
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア
5年以上続くデスマーチ (スコア:3, 興味深い)
ちょっと長くなりますが、5年以上続くデスマーチを1つ語らせて下さい。
5年ほど前、ニッチなシステムを販売するある小さな会社が、
身の程もわきまえずに1部上場企業にシステムを提案することになりました。
そのクライアントはあまりにも有名な企業で、子会社、孫会社とグループ会社も多数。
会社はそのクライアントへの導入実績が今後の売上に貢献すると考え、
赤字でも構わないからと受注必達の命を下しました。
これがデスマーチ案件の始まりでした。
ベンダが2、3社ほどに絞られた後、
システム開発部の技術者がクライアントとの会議に初めて同席しました。
そこで、今まで行っていた提案が、絶対に不可能な内容であることが明らかになります。
現行製品のカスタマイズで対応できる範囲を大きく超えている要件もあり、
基本設計から作り直さなければ対応できないような内容でした。
システム部の人数も少ない会社でしたので、総動員しても納期には間に合うはずがありません。
開発責任者は、現行の製品をベースにする限り対応は不可能と判断し苦言を呈しましたが、
彼の抵抗も空しく受注してしまい、
「反抗的」な開発責任者を外した開発チームによる無謀なプロジェクトがスタートしました。
納期から逆算しただけの無謀なスケジュールはすぐに破綻し、
半年も経たないうちにメンバーが徹夜をするようになりました。
案の定、納期には間に合わず、一部機能が無い状態で仮納品、その後も開発は続きます。
当時は、クライアントの担当部署も、販売代理店も、
失敗したプロジェクトを非難し、責任を追及する「被害者」側にいました。
ところが、事態が悪化するにつれて、まずは代理店が、そしてクライアントの担当部署までもが、
一心同体となってプロジェクトの外面を取り繕うようになります。
このプロジェクトが失敗することで、自分のクビが危ういのはどの会社の人間も同じなのです。
販売代理店は途中で抜けたらしいのですが、
クライアントの担当部署とプロジェクトチームが赤字を垂れ流しながら、
今もなおシステムの改善とバージョンアップを繰り返しているそうです。
去年あたりに、ようやく当初の要件を全て満たせるようになったらしいのですが、
不具合が多く、まだプロジェクトは続いているとのことでした。
私は「反抗的」な開発責任者の下にいましたので、
直接デスマーチには参加していませんし、会社の業績が悪化して別会社に吸収される時に
辞めてしまったのでその後の詳しいことはわかりません。
ただ、私が身近で見たいわゆるデスマーチというものは、これが最初で最後だと思います。
Re: (スコア:0)
Re:5年以上続くデスマーチ (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:5年以上続くデスマーチ (スコア:1)
こんな感じ?
1、開かずの扉。
2、一人、また一人と消えていく社員。
3、誰もいないはずなのに、夜な夜な人のうめき声が聞こえる開発室。
4、開発部の人間は誰一人見たことがないという幽霊部長。