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変なモノ

「常温核融合」は世紀の大発見?それともトンデモ科学? 110

ストーリー by hylom
なんか各所で話題になっている気がする 部門より

北大の水野忠彦氏が簡易炉で常温核融合らしき現象を確認」や、「大阪大学の荒田吉明氏が常温核融合の実証実験を成功させた」といったニュースがGizmodo Japan2chで話題になっており、/.にも何件かタレこみが行われている。

ただ、この「常温核融合」の実験の成功について、手放しで喜ぶ意見もあるいっぽうで、否定的な見解も多く寄せられている。

(つづく...)

たとえば、幻影随想: 北大の常温核融合ネタについて調べてみたよでは、

  • 原子の反応から予想される発生熱量よりも大幅に少ないエネルギーしか発生していない
  • 予想される発生熱量に耐えられるような実験装置には見えないため、「成功しているように見える」結果を出すためだけの装置なのでは
  • そもそも実験でなぜ熱が発生したのかを明確に追及しているようには見えない

といった、2chでの議論がまとめられているほか、「常温核融合に関わる身内の集まり」である「国際常温核融合学会」に関わる方々のみがコメントを出しており、ほかの関連学会に論文の査読やや実験結果の検証を求める、といった活動をまったくしていない、といった点から、今回の実験の信ぴょう性は低いとの結論を出している。

正直なところ、タレこみ人は今回の常温核融合の実験について懐疑的な見解を持っているため、このように否定側の意見を取り上げてしまいがちであるが、実際のところはどうなのであろうか。常温核融合について詳しい方や、今回の実験を支持する方からの意見を求めたい。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • ひとまず追試待ち (スコア:4, すばらしい洞察)

    by SaySet (18192) on 2008年06月25日 22時18分 (#1370595) 日記
    ...じゃないですかね。
    科学ってのはやっぱり、「同じ条件で試したら何時誰がやっても結果が同じ」ってのが重要なわけで、
    ひとまず1回(もしくは1箇所・1人)だけ「そうなった」といっただけの状態では、何も示していない
    (示すことができていない)状態なわけで。

    まあこの状態で地方紙に情報を流してる時点で、学術的な信頼性としてはちょっとなぁ...
    という気がしてしまうのが残念といえば残念ですが。
    • 今時の四大紙のベタ記事をかける待遇の科学記者でまともな人がどれだけいますか?と言う問題が…

      まあこの状態で地方紙に情報を流してる時点で、学術的な信頼性としてはちょっとなぁ...
      という気がしてしまうのが残念といえば残念ですが。


      そもそも地方紙の記者が地元大学の研究追っかけて論文出したあたりでトピック的に記事化する事は良くあるし、北大レベルでどーなのかと言う気はするけど産学連携がうるさく言われている現在、研究の続きをやるための資金を募る意図も含めてプレスリリースを流すということは、理工系だけではなくて社会学や心理学などの文系の研究の一部でも普通にありますよ。

      # と言うか、プレスリリースやったりとかして売り込みが上手い教授や助教授のいる研究室は結構リッチで
      # そういうのやらない教官の研究室は淡々としてるってのが田舎の国立大では日常光景なのを、40近い私でも
      # 目の当たりにしていますが…
      ## 某先生の研究室はWS一人当たり二台近くもあるわ冷暖房完備なのに、別の先生の研究室は空調なしで
      ## PC持ち込みとかふつーの光景だったんですけど…勿論科研費以外に金を持ってくるかどうかで変わる部分が大きい
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    • by ogino (1668) on 2008年06月25日 23時30分 (#1370649) 日記

      まあこの状態で地方紙に情報を流してる時点で、学術的な信頼性としてはちょっとなぁ...

      たしか 20年前も学術的な検討よりもマスメディアが先に立ったという記憶があります。アイザック・アシモフの「宇宙の秘密」の「ホット、コールド、コンフュージョン」を読み返してみましたが、共通点があると思います。以下は20年前の騒ぎのポイントとしてアシモフがあげているもの:

      1. 査読のある雑誌に論文を送るよりも、先にマスコミに発表した。
      2. 反応の全貌を公表しなかった。発表されたものだけでは追試が困難だった。(ネイチャー誌が要求した詳細の補充を拒否した)
      3. 適切な対照実験をしなかった。
      4. 主たる証拠として熱の発生を報告した。熱はどんな原因でも発生する。

      追試待ちというのは正しい態度だと思いますが、もし金を賭けるのであればトンデモ科学に賭けますね。「熱の理由が他では説明できない」という発言が、私にはフラグがたっているように感じます。
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      • SF作家つながりで,ここにぶらさげます。

        ちょうど2000年前後のことなんですが,スリランカ在住の著名なSF作家がTVとかで,

        「これから,何かすばらしいことがおこる」

        って,さかんにいってまして,私は「なにごとか!」と思ったんですが,実はそれが「常温核融合のことを言っているらしい」ってな事件がありました。彼はどうやら,インターネットで流れてた情報を真に受けたらしいのですね。さすがに私もひきつったんですが,続く情報をよくよく聞いてみると,クラーク先生は10年スパンとかじゃなくて100年,1000年スパンでの常温核融合の実現を信じていたようです。彼曰く「私がこれまでに生きていた間に起こったことと較べてみろ」てなかんじ。

        今回の実験については新奇性に欠けるし,これまで否定されてきた課題に対する反証もないし。なので,スルーでOKなかんじなのですが。たとえば,

        「これから100年以内に,常温核融合に必要なブレークスルーはありうるか?」

        と問われれば,ちょっと否定するのが難しいなと。難易度でいえば,高温核融合の実用化とか,軌道エレベーターとかとあんまり変わらないんじゃないかとか・・・ つい。
        --
        斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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  • 英語の勉強の時間です (スコア:4, おもしろおかしい)

    by Urunao (2043) on 2008年06月26日 1時08分 (#1370720)
    このニュースによって、macromediaのColdFusionが常温核融合のことだと初めて知りました。
    真偽はともかく、ひとつ賢くなってよかったよかった。
  • 物理とかぜんぜんわかりませんが、Gimozoの記事についたコメントによれば、

    bc :

    これは、常温核融合という研究自体が、狼少年の様な状況に
    なってしまって、投資家や研究者が足踏みしてしまっているのを、
    払拭する為に、簡略・追試化出来るモデルを模索したレポートなんです。

    現在、投入するエネルギーの方が、引き出せるエネルギーより
    勝っている状況で、現実で使える状況ではありません。

    ということで、今回の研究はそれそのものが大発見・あるいはトンデモなのではなくて、
    常温核融合について科学的に検討するための叩き台なんじゃないでしょうか。なので、これを踏まえて
    再現可能性、実用性が論じられるようになってからでも、「世紀の大発見?それともトンデモ科学?」という
    判断を下すのは遅くないんじゃないでしょうか。
    --
    Your 金銭的 potential. Our passion - Micro$oft

    Tsukitomo(月友)
  • by Takahiro_Chou (21972) on 2008年06月26日 0時15分 (#1370683) 日記

    常温核融合の研究中に、重大な放射線事故が起きてから、じっくり考えても遅くないような気がします。

  • 一般論ですが (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Cmd.STRAKER (33040) on 2008年06月25日 21時41分 (#1370563)
    新発見というものは、とかく最初はインチキ呼ばわりされるものです。 特に、専門家であればあるほど、既存理論やこれまで自分が研究していた狭い領域の知識に縛られがちです。 「トンデモ科学の…」系統の本はそのいい見本でしょう。 そういう固陋な知見をいとも簡単に、全く考えられないような非常識であった方法でものにするのがブレークスルーですよね。 ぐだぐだと前置きを申しましたが、実現すれば夢のエネルギーです。 それにチャレンジされている方々の情熱には頭が下がります。 私は、専門的なことは分かりませんが、新しいエネルギーの世界を切り開いていただけることを信じております。
    • by Anonymous Coward on 2008年06月26日 0時59分 (#1370713)
      ノーベル賞受賞者の何割ほどがインチキ呼ばわりされたとおっしゃるのでしょうか?
      科学者、そして科学というものに対しあまりにステレオタイプな物の見方をされてはおられませんか。
      正しい方法論で行われる研究に対し、科学者は真摯なものですよ。
      親コメント
      • by poundcake (11852) on 2008年06月26日 3時49分 (#1370757) 日記
        確かに今の時代では、本当にインチキ呼ばわりされることは少ないと思いますが、胃潰瘍がピロリ菌で起こるっていう発見 [wikipedia.org]なんかはインチキ呼ばわりする以前に信じられませんでした。このネタも、バクテリアの存在から始まって実に100年の歴史があるんですね。極論すれば、逆に、インチキよばわりすらされないような大多数の研究は大学じゃなくて企業でどうぞ、とすら思います。
        「君らは、重箱の隅をつつくような研究はするな」(沼正作)
        親コメント
  • がんばって研究続けてください! >北大水野先生!
    • 水野氏が自分の研究を時系列で記録した”常温核融合プロジェクト”という文書を昔読んだことがあります。
      http://www.lenr-canr.org/acrobat/MizunoTjyouonkaku.pdf [lenr-canr.org] (注意、PDFで107ページあります)

      文書の最初のほう、1989年くらいまでの記述は、実験の進め方も考え方も極めて合理的であり、データも妥当な感じがしたので、常温核融合は本当に実現されたのだと思い、興奮して文書を読み続けました。
      しかし、読み進むうちに、だんだん首をかしげる箇所が出てきて、例えば91年には常温核融合により、大量に熱が発生するという現象を目の当たりにして、連休にさしかかったから実験を中断するとかいうような不可解な記述も出てきます。
      首をかしげるような記述は次第に増え、97年に、冷や飯を食ってる氏が同僚と二人きりで窓のない倉庫のような実験室でゴウゴウと音を立てながら、電極が火の玉のようになるまでの大電流を流す派手な電解実験をする下りに至っては、その毀れっぷりに恐ろしくなりました。

      というわけで、私は氏の研究を信用していません。
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      • by Anonymous Coward on 2008年06月27日 2時40分 (#1371608)
        私は3日ほどその窓のない部屋に閉じこもってその実験を観測しました。怖かったです。のちにセルが爆発したから、本当に危険でした。セルのかけらの写真はここにあります: http://lenr-canr.org/Experiments.htm#PhotosAccidents [lenr-canr.org] 爆発は約132,000ジュールを発生しました。これは実験の入力エネルギーの441倍です。中国、フランスなどからも爆発の報告があります。 常温核融合そのものは、一流の研究所200以上で追試されていますので、その存在を疑う余地がありません。 - Jed Rothwell LENR-CANR.org
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    • >がんばって研究続けてください! >北大水野先生

       同感。

       というか、X線散乱の結果から動径分布関数も出さずに、赤外線の照射で水の酸素原子間の距離が変わった
      などという、どう見ても間違った論文を出したりしないで、常温核融合だけやっててくれる方が嬉しいです。
       少なくとも、論文の権威に騙されてろくでもない商品を買う消費者が出てくるおそれはありませんから。
      親コメント
  • 今度は国内発 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Technobose (6861) on 2008年06月25日 22時05分 (#1370582) 日記
    本当に常温核融合の成功で、その成功がエネルギー革命につながるのなら嬉しいのですが・・・。

    ・・・実はミューオン核融合だったりして。
  • by Anonymous Coward on 2008年06月25日 22時43分 (#1370616)
    信じられないという感想を言うことには異議は無いのですが
    新聞記事になった段階、
    記事で紹介された断片的内容に勝手な解釈・憶測を交えて否定するという態度が
    多いのには閉口します。

    正式な発表内容を知ってから否定しても遅くはないと思います。
    • by Anonymous Coward on 2008年06月25日 23時49分 (#1370658)
      そりゃ本当だったらNatureに先にだすでしょ。職業科学者なら。新聞だけに話してNature他に出にくくなるようなことをするのは、まだ、(好意的に解釈しても)十分な証拠を取れていないからとしか思えん。よって普通のひとは検証する努力をする必要がある段階ではないでしょう。
      親コメント
  • それでも実現したらいいなと期待はしてる。

    もちろん、嘘っぱちは排除される上でですがね。
    # 物理は好きだけど、知識レベルは初歩で止まってますな。

    実際問題、エネルギー関係の解決には核分裂じゃ割があわない(場合によって無駄に石油つかうとか)しねぇ。

    # タキオンタイムマシンがあるといいなとか想像はするID
    --
    M-FalconSky (暑いか寒い)
  • by Anonymous Coward on 2008年06月26日 1時02分 (#1370718)
    昔、世界が常温核融合の話題で沸き立ったとき、日本で初めて「成功した!」と言ったのは北大のとある助手でした。

    ……そして、それが間違いであると否定したのはその研究室の教授でした。

    月日は流れて今、その助手は冷や飯を食わされつつも北大で研究に励んでいるそうです。


    今回の結果が過去の轍を踏んで無ければよいのだが。
    ------
    他者の追試の結果が楽しみです。
  • by TarZ (28055) on 2008年06月25日 21時15分 (#1370545) 日記
    911陰謀論はよそでお願いしたいところです。
  • 入力エネルギー>出力エネルギーでしょうから、
    でっていう。
  • それよりも (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年06月25日 21時42分 (#1370567)
    「国際常温核融合学会」なんてものがあるんですね、世界は広い
    今時の若者は20年も前のことなど知らないとは思いますが
    毎年、論文があったりするのだろうか・・・
  • 実験方法が相当いいかげんな印象を受ける.
    2ちゃんねるにも書いてあったが,最低限対照試験はやらないと,科学者を納得させることはできん.
  • by ddts (10995) on 2008年06月25日 22時45分 (#1370620) 日記
    この手の現象、常温核融合って名前からして、原子核同士が高温・高圧下で
    融合するようなイメージを持ってしまいがちなんですが、こっち方面をやっ
    ている人いわく、新種の核変換なのではないか、と言ってますね。

    変な同位体を作るところまでは結構再現性があるらしいので、核融合という
    名前をやめたらどうかなといつも思います。
    • by Anonymous Coward on 2008年06月26日 1時11分 (#1370721)
      >変な同位体を作るところまでは結構再現性があるらしいので

      ……いや、ないっすよそんなもん。
      この方々、昔から「○○については追試も容易で再現性もあり」とか言ってますが、
      不思議な事に(いや、不思議でもなんでもないんですが)身内の方々以外が実験
      するとほとんど追試に成功しないという。でも身内の人たちが(まったく同じ
      構造の装置で)追試するとなぜかそれなりの頻度で再現されます。
      とりあえず、言ってる事がころころ変わるんで追いかけさせられると疲れます。
      (何かの結果が決定的に否定される追試が出る度に、「いや、実はわれわれが
       見ていたのは○○という現象であって……」となる)
      #昔に嫌々追試をやらされたAC
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2008年06月25日 22時52分 (#1370624)
      男はみんな融合とか合体とか好きなだけなんです。
      親コメント
    • >変な同位体を作るところまでは結構再現性があるらしいので、核融合という
      >名前をやめたらどうかなといつも思います。

      フライシュマン=ポンス反応

      両教授がやったことを追試しようとしているんだからこれでよかろう
      親コメント
    • 核変換でも、投入量より大きなエネルギーが発生して実用化できるのならいいですよね。
      核融合が期待されているのは、まず新しいエネルギー源なので・・。
      ・・・政治家はエネルギー源よりも爆弾のほうがいいのか?
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年06月26日 0時02分 (#1370667)
    最近金集めのための研究が多いから要注意ね。
    • by Anonymous Coward on 2008年06月26日 1時17分 (#1370724)
      >> 最近金集めのための研究が多い

      そりゃそうでしょ.ずっと「もっと競争的資金を増やして,運営費交付金を減らしましょう」みたいな方針に進んできたんだから,研究者が必死で金を集めようとするのは当然だし,「すぐ役に立つことが目に見えない研究には予算をつけません」みたいなことになっちゃってるから,一般人の目に見える範囲では「金集めのようにしか見えない研究」の率が高くなるのも当然.キミ,世間の無名大学の人々が予算も取らずに細々とやってる研究の数々なんて全然知らないでしょ?

      現状から競争的資金も減らせというのであれば,「日本は科学研究には投資しません.もう科学技術は必要無いです」という宣言をすることになるけど.まさか「これからの日本は金融で食っていきます」って方向を目指すの?
      親コメント
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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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