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本題(野依氏の問題)とは関係ありませんが,ちょっとこれはどうかと思いますので。
法人化のときの文部大臣であった有馬朗人氏もそうですが、どうしてそれなりに実情を把握しているはずの人物がいわば「裏切り」をするんでしょうかね?
貴方が何を指して「裏切り」と述べていらっしゃるのか分かりませんが,単純な事実関係として,有馬氏が「国立大学法人化の際の文部科学大臣として」国立大学を裏切ったということはありえません。
なぜなら,国立大学法人法成立時(2003年)の文部科学大臣は遠山敦子氏(小泉内閣,任期は2001年4月〜2003年9月)であり [mext.go.jp],一方で有馬氏が文部大臣(当時)であったのは小渕政権のときで,任期は1998年7月30日〜1999年10月5日 [mext.go.jp]だったからです。
また,下記で述べる通り,2001年に入るまで,文部科学省には国立大学を法人化する方針はなかったと推察されます(一部にそう考えている官僚はいたかも知れませんが,主流ではなかったと思われます)。したがって,有馬氏が文部大臣であったときに国立大学法人化のレールを敷いたという可能性も排除してよいでしょう。
以上,国立大学の法人化絡みで,文部大臣として有馬氏が裏切り行為をしたという主張は根拠がないと考えますが,いかがですか。
なお、遠山元大臣を擁護するわけではありませんが,当時の状況からすると,誰が大臣であっても国立大学の法人化は避けられなかっただろうと思います。当初,国立大学の独法化(最初は独立行政法人にしようという話だったはず)に対して消極的だった文部科学省に業を煮やしたのか,小泉首相が遠山大臣を「叱責」したという話 [toonippo.co.jp](2001年5月)も残っているくらいですから。 # なお,私は, # 法人化が避けられなかったとしても,もちょっとマシな制度にしてくれよ, # という意味で遠山大臣の責任は免れないとは考えています。 ## この話,前にも/.-Jで書いたような気が……
また、有馬氏は,国大協の会長時代(1989年6月〜1993年3月)に国会議員を東大に呼んで,東大でさえ老朽化した施設,設備で実験を行なっていることを説明するなど,日本の理工系学部の研究者たちが劣悪な環境で研究を行っていることを社会にアピールしています。大学の理工系の研究が置かれている状況を社会に対して主張したという業績は大きいと思うのですが。それが国大協会長の任務と言えばそれまでですが,近年では珍しいほどに存在感があった会長だったと記憶しています。当時は「京大でもワンカップの空き瓶で実験している」などとマスコミに取り上げられたり,PR効果も小さくなかったと思われます。
確かに結果として,大臣として国立大学(当時)のために行ったことは少なかったかもしれません。また、有馬氏が大臣であったときに構想された「ゆとり教育」が大学教育にも影を落としているという見方もあるでしょう。しかし,国立大学の法人化については、有馬氏を一方的に「裏切り者」呼ばわりするのはあんまりではないでしょうか。それとも,私の見落としている裏切り的な行為が大臣時代にあったのでしょうか。
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い
真綿で首を絞めているような気が… (スコア:5, すばらしい洞察)
助准教授は業績稼ぎの為、論文書きや学会活動に集中し、任期付助教は次のポスト探しに忙しい。
国公立大学の工学・理学系は私立と比べて学生一人当たりの教官数が多く、
深い指導を受けられる点で、企業から評価されていたのではなかったでしょうか。
しかし、最近は教官と学生が研究室で議論する時間が減っていました。
知識の伝達を本だけで行う事が難しい理工系だからこそ、
教官の知識や考え方を吸収する機会が大切だと私は考えていますが、
教育再生会議の議事
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:4, すばらしい洞察)
法人化のときの文部大臣であった有馬朗人氏もそうですが、どうしてそれなりに実情を把握しているはずの人物がいわば「裏切り」をするんでしょうかね?
彼らには勲章しか目に入っていないんでしょうか。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:5, 興味深い)
どこぞの官僚が、自分の都合でひねくり出してきた「結論」が先にあって、それに導く意見を述べることだけが求められる場に堕してます。いつぞやのBSEに関する委員会とかでも、そういうのが理由で委員が途中で降りちゃったりとか。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:5, 興味深い)
関係者から伝え聞いた話ですが、今回のは企業側の委員からの突き上げが結構あったようです。
「大学ではもっと効果的な産学連携が可能となるような研究をすべき」
「現状の大学の研究は産業界のニーズに合っていない」
「大学にはもっと、企業に採用後すぐに現場での研究開発に携われるような人材を育成する場に
なってもらいたい」
という感じの意見もかなり強く出ていたようで。
ただ企業側の人間でも、企業の研究所で実際に研究やっている人間と話すと
「金になりそうだったり実用可能そうな研究はうちらがやるんで、大学・研究所では海のものとも
山のものともつかないようなものを研究してほしい。そこから有望そうなものを見つけてもらい、
あとは我々に移管してもらうのが最適」
という感じの意見が強くなるのが面白いところ。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:4, 興味深い)
「企業内研究所はなるべく全廃したい。研究については、研究資金をエサにして大学にやらせて成果をもとに商品開発、販売を行なう。そのためには、校費などを削って、ちょっとした外部資金にも大学の研究者が喰らいつくという状況をつくってね。」
この意向を受けてつくられたのが「競争型研究資金」です。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:2, すばらしい洞察)
問題なのは、そういう重要なタスクを2つも大学教官に課しながら、事務的体制には一切配慮しない制度作りでしょう。教育・研究事務を行える人材も少ない上に、そういう人材をどうどうと雇える予算も少ない。なので、教官は事務に忙殺され、教育も研究も薄くなっていく。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:0)
元ACです。
いえ、経営者側も研究機関としても見ているようです。その上で、
教育機関として「もっと即応戦力を育てろ」
研究機関として「すぐ我々が実用化できるような研究を」
というような主張をしていまして、後者が企業内研究所との意見の相違が
出てきている部分です。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:0)
論文重視 | 学(→) 産官(短期:→/長期:→) | 学(↓) 産官(短期:→/長期:↓) |
経財効果重視 | 学(↓) 産官(短期:↑/長期:↓) | 学(↓) 産官(短期:↑/長期:↓) |
基礎研究重視 | 学(↑) 産官(短期:↓/長期:↑) | 学(↓) 産官(短期:↓/長期:↓) |
年度単位とか色んな既知の問題がありますが, 本来あるべき姿になるのが良策と思います.
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:0)
すぐにでも使えそうな研究なら企業から金がでます。
お国の金はそうじゃないところに投資してもらいたいものです。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:0)
>「大学ではもっと効果的な産学連携が可能となるような研究をすべき」
>「現状の大学の研究は産業界のニーズに合っていない」
>「大学にはもっと、企業に採用後すぐに現場での研究開発に携われるような人材を育成する場になってもらいたい」
という方向性が、意見を誘導したい方向と利害一致してたんじゃないかと。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:4, すばらしい洞察)
まったくそのとおりですね。
○○委員会、などという組織は、まさに官僚どもが「有識者の権威だけ」を
使おうとして作られるものです。
それが、うまく機能しないとき(有識者が、ちゃんと本来の役目を果たそうと
するとき)には、マスコミを使って、委員同士のちゃんばらにして、お茶の間
エンターティメントにしてしまうのです。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:2, 興味深い)
本題(野依氏の問題)とは関係ありませんが,ちょっとこれはどうかと思いますので。
貴方が何を指して「裏切り」と述べていらっしゃるのか分かりませんが,単純な事実関係として,有馬氏が「国立大学法人化の際の文部科学大臣として」国立大学を裏切ったということはありえません。
なぜなら,国立大学法人法成立時(2003年)の文部科学大臣は遠山敦子氏(小泉内閣,任期は2001年4月〜2003年9月)であり [mext.go.jp],一方で有馬氏が文部大臣(当時)であったのは小渕政権のときで,任期は1998年7月30日〜1999年10月5日 [mext.go.jp]だったからです。
また,下記で述べる通り,2001年に入るまで,文部科学省には国立大学を法人化する方針はなかったと推察されます(一部にそう考えている官僚はいたかも知れませんが,主流ではなかったと思われます)。したがって,有馬氏が文部大臣であったときに国立大学法人化のレールを敷いたという可能性も排除してよいでしょう。
以上,国立大学の法人化絡みで,文部大臣として有馬氏が裏切り行為をしたという主張は根拠がないと考えますが,いかがですか。
なお、遠山元大臣を擁護するわけではありませんが,当時の状況からすると,誰が大臣であっても国立大学の法人化は避けられなかっただろうと思います。当初,国立大学の独法化(最初は独立行政法人にしようという話だったはず)に対して消極的だった文部科学省に業を煮やしたのか,小泉首相が遠山大臣を「叱責」したという話 [toonippo.co.jp](2001年5月)も残っているくらいですから。
# なお,私は,
# 法人化が避けられなかったとしても,もちょっとマシな制度にしてくれよ,
# という意味で遠山大臣の責任は免れないとは考えています。
## この話,前にも/.-Jで書いたような気が……
また、有馬氏は,国大協の会長時代(1989年6月〜1993年3月)に国会議員を東大に呼んで,東大でさえ老朽化した施設,設備で実験を行なっていることを説明するなど,日本の理工系学部の研究者たちが劣悪な環境で研究を行っていることを社会にアピールしています。大学の理工系の研究が置かれている状況を社会に対して主張したという業績は大きいと思うのですが。それが国大協会長の任務と言えばそれまでですが,近年では珍しいほどに存在感があった会長だったと記憶しています。当時は「京大でもワンカップの空き瓶で実験している」などとマスコミに取り上げられたり,PR効果も小さくなかったと思われます。
確かに結果として,大臣として国立大学(当時)のために行ったことは少なかったかもしれません。また、有馬氏が大臣であったときに構想された「ゆとり教育」が大学教育にも影を落としているという見方もあるでしょう。しかし,国立大学の法人化については、有馬氏を一方的に「裏切り者」呼ばわりするのはあんまりではないでしょうか。それとも,私の見落としている裏切り的な行為が大臣時代にあったのでしょうか。
Re:真綿で首を絞めているような気が… (スコア:0)
事実誤認がありました。
有馬氏については、無計画な「ポスドク1万人計画」について怒りをもち氏の責任を問いたいと日ごろ考えていましたが、勘違いして「独法化」についての責任を云々してしまいました。
失礼しました。