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テクノロジー

ロボットや自作デバイス用の二次電池、どうしてる? 27

ストーリー by mhatta
バッテリーはいろいろきびしいのう 部門より

YOUsuke 曰く、

/.Jの諸氏におかれましては、オリジナルロボットやオリジナルデバイスの製作に勤しんでおられるかたも多いかと思います。その際の二次電池ですが、皆さんはどのようなものをお使いでしょうか。
大容量で安全、軽量な二次電池が容易に手に入るといろいろとアレゲな活動が広がると思いますが、なかなか世の中うまいようには動いてくれないようです。皆さんの二次電池の利用状況、二次電池への要望をお聞かせください。

(つづく…)

私の周辺では鉛蓄電池が主流です。理由としては、扱いが容易かつ安全であり、ノウハウも蓄積されているというところが大きいです。一部リチウムポリマーも使用していますが、まだまだノウハウが足りない状況です。また、筑波大学には「つくばロボコン」というイベントがあります。そこでは、鉛蓄電池、あるいはアルカリ電池やニッケル水素電池を自分でパッケージしたものが主流のようです。

リチウムイオンやリチウムポリマーは魅力的ではあるものの、電池の素人が扱うには安全性に不安があります。一部ROBO-ONE関係のロボットではリチウムポリマーが流行り始めているというようなことを聞きましたが、火災事故などを起こさないか心配してしまいます(リチウムポリマーは緊張感をもって扱わないと容易に発火します)。ラジコン関係ではリチウムポリマー電池パックと専用充電器が販売されていますが、種類によるものの、自分が専門としている移動ロボット、特に長時間走行を行うものには容量が足りない感じです。

ちなみに、電動アシスト自転車用のバッテリーはなかなか面白そう。そのうち解析してみたいです。

[2007-08-20 18:05 JST Acanthopanaxによる追記] タレコミ氏の希望により後半部を一部差し替え。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by kim339 (16339) on 2007年08月20日 11時59分 (#1207211) 日記
     リチウムイオン電池は、電池の専門家でない限り、充電から放電までをブラックボックスにしたパッケージで取り扱うべきだと思います。もちろんセルは丈夫な箱に入れてパックにして、異常事態が起きたらセルパック側で遮断するぐらいの用心深さが必要だと思います。本来はセルパックも接点式にするのは危険なのかも知れませんが。

     聞いた話によると、廃棄物の中に混じったリチウムイオン電池を鉄のコンテナの中に入れていたらコンテナが熱でとけて穴が空いたとか、電動ラジコン飛行機のリチウムポリマ電池がセル側面に衝撃したためにセパレータが破れて火を吹いたとか、今では採用しているか分かりませんが、携帯電話用リチウムイオン電池の収納缶が超深絞りで作られているのは、爆発したときに爆風を下に逃して顔に大怪我しないようにしているとか、貯蔵エネルギの大きさと恐ろしさはもっと喧伝してもいいような気がします。
     事故のムービーだけでなく、電池専門家の指導の元に火を吹かせてみた映像とかもニュースなどでもっと露出してもいいような気がします。

     他の二次電池でも、ここ10年で一般化したものはどれも大容量で、機器や電池が故障したときの対処は趣味人の手に負えないところまで来ていると思います。
     秋月電子が急速充電器用の電池ホルダを金属製にしているとか(自分も実は充電器にプラ製を使って溶かしたことがある)、2300mAhを超える電池の発熱トラブルで大容量電池はタブ付きのみとか、リチウムイオンでなくても大変なことであるということを技術者は知っていて欲しいなぁ…と。

     ロボットコンテストはまずアイデアを出すところなので、ある程度以上の危険については主催者がコントロールする必要があるのではないかと思うのです。主催者側で手に負えないのなら(学内コンテストなど)、レギュレーションで固定式電池(要はリチウムイオン電池の生セル)を排除するとかで、少なくとも衝撃に伴うセル自体の発火は回避できると思います。それでもショートすれば電線は焼けるぐらいのエネルギは持っているのですが。

     あとはリチウム一次電池で長時間駆動できるようなプログラマブルなデバイスプラットフォームがあれば別の意味で電源問題が解決するのではないかと思うのですが、色々と難しいかもしれません。
    • ノートPCやPDAの開発者は、Li-ionセルに保護回路基板を付けた形で必ずパック化して
      製品に組み込みます。保護回路は、パックの接点と生のLi-ionセルとの間に入って、
      過電流・過充電・過放電・過熱その他を検知して遮断します。
      生のLi-ionセルだけを交換可能にするような製品構成には、絶対しません。

      一方、最近のラジコンの世界では、Ni-CdやNi-MH(ニッケル水素)バッテリを充電器で
      充電するという、昔ながらの取り扱いと同じノリで、Li-ionセルを扱い始めているように
      見えます。ラジコンは歴史が長い分野ですが、ホビーイストのおじさんたちは遠隔操作
      できる模型で遊びたいのであって電気回路の専門家でもなく、バッテリも単なるパーツ。
      製品を売る側もそういう需要に乗っかっているように思えます。

      で、ロボコン向けのロボットというジャンルは、(マイクロマウスのような長いものも
      ありますが) 本格的に始まってまだ5年も経っていないような所があって、二足歩行ロボも
      サーボモーターやバッテリを、ラジコンの世界から拝借しているような面があります。
      しかもラジコンと違って、一体でモーターを10個も20個も搭載し、同時に動かすため、
      エネルギー密度の高い Li-ionバッテリが好まれ、一斉に移行しようとしています。
      その実態は、ラジコン同様、ナマのセルを充電器で充電するという扱い方で、ものすごく
      危険な香りがします...

      安全に使えてかつ大電流を取り出せるいい製品がなかなか無いというのが現状だと
      思いますが、やはり危険には違いないので、コンテスト主催側も、ロボット製作者に
      ちゃんと保護措置を設けているか確認して、怪しいケースでは書類審査で落とす…
      みたいなことをした方がいいのかも知れません。

      親コメント
  • リチウム系電池が危険であるのは、そのエネルギー密度の高さによるものかというと、そうではありません。
    リチウムイオン電池が発火した際には、電池の設計にもよりますが、小型の爆弾並みの破壊力を持ちます。
    この様な破壊力が電池に蓄えられているエネルギー量とつりあっていないことは、誰の目にも明らかでしょう。
    この破壊力は、電池を構成する材料の化学反応(主に燃焼反応)によってもたらされています。
    リチウムイオン電池の電解液に多く用いられているエチレンカーボネートやジエチルカーボネートは第4類の危険物に指定される
    引火性物質であり、また、負極に用いられるのはグラファイトに代表されるカーボン系材料です。これらは燃焼により大きな熱量を生じます。
    また、正極に使われているLiCoO2などの材料は、過充電、加熱により酸素を放出します。この酸素の助燃作用は皆さん知るところでしょう。
    過充電状態では、上記の酸素と危険物が混合した状態となっており、それが一旦発火すれば爆発的な燃焼を起こします。
    これが、リチウムイオン電池の破壊力の源です。

    現行のリチウムイオン電池は、素人が扱えるものではありません。
    充電状態管理や短絡防止等を徹底しなければ、とても危険なものです。
    しかしながら、電解液や負極に、まったく燃焼しない熱安定性に優れる材料を採用するなど、
    たとえ火の中に放り込んでも燃えないようなリチウムイオン電池の開発も実験室レベルでは進行しています。
    それらがより進歩すれば、安心して使える時代が来るかもしれません。
    •  確かにリチウムイオン電池は可燃物と炭素と酸素源とそれを爆発的反応を起こすだけのエネルギーが全部揃っていて「爆弾」の構造そのもののような感じがします。
       セルの物理的ダメージで爆発的燃焼をしてしまう理由が理解できました。短絡電流だけで鉄を溶かしてしまう筈無いのになぁと薄々感じていたのですが。勉強になります。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年08月20日 8時20分 (#1207056)
    LED懐中電灯などの世界では小型で大出力を出せるということで 18650, 14500 といったリチウムイオン充電池が結構流行っている [pro-light.jp]ようです。

    ただ、NiMH に比べると取り扱い一般の危険性が高いようで、 過放電防止のプロテクト回路(前記リンク先の製品にも多くはついている)にしろ、過充電対策その他にしろ 「気をつけろ」とはいうものの、具体的にどう言う特性にどれくらい気をつけるのか よく分からずに使っている人も多いのではないかと思います。

    何に気をつければいいのかとか、向き・不向きがよく分かる解説とかがあれば紹介よろしくお願いします。

    (私自身、正直危険性の程度の判断等がつかないので NiMH 使ってます。)
  • by maruto! (18665) on 2007年08月20日 10時52分 (#1207159) 日記
    56ファラッドのPASキャパシタ [ebimemo.net]です。厳密には電池ではなく、使い方も電池とは異なりますが、これだけの容量、どう使うか考えるだけでぞくぞくします。
    • ヤマハ発動機さん [yamaha-motor.jp]がキャパシタ自転車を実用化したのか? と一瞬思いました。

      # 魔除けコメント

      親コメント
    • ディスカバリーチャンネルで、バッテリーを使ったカートが紹介されてましたが、ブーストキャップという呼び方でスーパーキャパシタ(たぶんこれ)が使われていました。加速時、一時的に大電流をモーターに供給するためのものでした。バッテリーの補助として使ってましたね。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2007年08月20日 23時29分 (#1207523)
      8年ぐらい前だったかな?スーパーキャパシタが世に出始めたころにとあるメーカーに販売の条件として、
      講習を受けることと保護回路が組めることを要求されたことがあった。
      今は爆弾処理班っぽい装備でリチウムポリマー破裂させるような仕事についているが、
      最近のエネルギー密度の高い電池は爆薬やガソリン並みに危険だということを認識しないと大変な目に会いますよ。
      破裂させると破片、溶けた金属、化学物質が飛び散ります。
      親コメント
    • そういや、キャパシタの容量を飛躍的に上げて
      バッテリーの代わりにできるようになるとかいってた日本電子の話は
      どうなったのかなーと、思って検索してみた。(今はここで開発してるらしい [www.act.jp])

      ・・・けどいまいちぱっとしてないなぁ。
      何だろ、やっぱ短絡事故が怖いからノートPCとかには積みにくいのかなぁ?
      集積度的には [jeol.co.jp]、ノートPCに積めそうな気はするし・・・・

      やっぱ・・・値段?

      SSDは普及してくる気配はあるし、
      玄人志向あたりで、バッテリーの置き換え用に作ってみてくれないかなぁ、と思う。
      ノートPCの種類だけ作らなきゃ駄目だから大変そうだけど。
  • by AcDcPwr (32146) on 2007年08月20日 13時00分 (#1207258)
    私は仕事が電力設備屋なんで取り扱う蓄電池はもっぱら鉛蓄電池ですね。
    主な利用用途は、UPSや無停電のDC電源のバックアップ電源、発電機等の始動用電池ですので、個数で言えば扱う数はものすごく多いですけど、産業用なのであまり参考にならないかも知れませんけど・・・

    鉛蓄電池を使用する理由としてはやはり、ノウハウの蓄積と確実性・安全性ですね。
    使うのは密閉式鉛蓄電池ですけど産業用なので性能さえ良ければ良いってわけにはいかないので、過去のノウハウ、確実性というものは非常に大事です。
    消防署等公官庁への届出や消火設備対策なども考えれば、今のところ鉛蓄電池が一番確実性が高いくて、設備費投資も抑えられるということなんでしょう。

    今のメンテナンスフリーを謳う密閉式鉛蓄電池でも、一昔前の液式蓄電池に比べればずいぶん小さくなったもんだと思ってますけど(同じ蓄電池容量比で)2V8000Ah/セルあっても、1個の重さ1t超なんて液式蓄電池じゃロボコンじゃ使えないですから(笑)

    二次電池ではないけど、可搬が可能な電源という所では燃料電池には期待をしています。
    入手しやすい燃料で稼動して、片手で運べるくらいの燃料蓄電池作成キットとかあったら、色々いじって遊びたいですね。
  • 私は電池は門外漢なので変なこと書いてるかも知れません。
    --
    妖精哲学の三信
    「だらしねぇ」という戒めの心、「歪みねぇ」という賛美の心、「仕方ない」という許容の心
  • by Anonymous Coward on 2007年08月20日 10時46分 (#1207151)
    デリケートな電池を扱う経験というのも、教育上必要なんじゃないかという気がします。
    # 程度の問題で、危険すぎるのはいけないけれど

    電子機器の小型化が進み、小さな体積に信じられないほどの高密度エネルギーを詰め込むことが常識化した時代ですから「電池って危険物だよね」という意識を育てる意義は大きいと思われます。
    # エンドユーザーに「危険物でない電池」を利用した製品を届けるには、技術者(になるであろう人たち)が電池のデリケートさをよく知る必要があるんじゃないかなと

    個人的には鉛蓄電池好きですけど。
    • デリケートなペットボトルの扱いも教育して下さい。
      事故が続いたからって、なぜドライアイスをつめて破裂させる実験を清涼飲料用ペットボトルでやるかね、テレビ局は。そんなに煽りたいのか?
  • by Anonymous Coward on 2007年08月20日 13時23分 (#1207275)
    50mAhリチウムポリマーに保護ICを取り付けて利用しています。
    市販されているハニービーという小型のラジコンヘリに採用されているものと同型です。
  • by Anonymous Coward on 2007年08月20日 13時39分 (#1207286)
    同じロボットと言っても『何を売りとするか?』によって大きく違うと思うので、その辺がハッキリしないことには最適解が見つからない状態になるんじゃないかなぁ?と思ってしまいます。
    長時間駆動が必須ならまだしも、そうでないのならば現状のものが今の時点での最適解である可能性も視野に入れた方が良いのではないでしょうか?

    正直なところ、大容量の電池はそれだけのエネルギーを蓄えているわけですが、エネルギー密度とエネルギー量が比較できるものが例示できていれば違うんじゃないかと言う気がします。
    例えば、Li-Ion電池○○mAh一本でTNT火薬○g分、とか出した上で「取り扱いには注意を」と表記するとか…

    現状はどんなに高密度なエネルギー密度を持っていても『電池』で一括りになってしまっているわけで、これでは危険なものと言うイメージが沸きにくいだろうと思います。
    逆に、誰かが書いているように、危険度がわかるような事例をメーカー主導でやった日には、電池=危険なものというネガティブイメージが付きまとうことになり業界そのものが衰退しかねないため、メーカー主導では開催されにくいと思います。

    そもそもニッケル水素電池も充電時の発熱量が大きいため、実用化を視野に入れた場合は充電制御において熱保護も入れる必要があるのですが、それを理解できていない人も多々見受けられます。
    燃料電池にしたって、大エネルギーを取り出せる、ということだけに視点が行きがちで、現状のLi-Ion電池よりも危険度が高くなること自体を理解している人が少ないのも事実でしょう。
    それどころか、大電流を流すために必要なノウハウを持っていない小電力系機器を開発してきた人たちが大電力にシフトしているのが実情なので、そちらの面でも問題が出てくるかも知れません。

    どこかの企業がどでかい事故(例えば電池の爆発で使用していた人が爆風で片手の指を失う等の大事故)を起こさない限り変わらないのかも知れません。
    #とりあえずACで。
  • by Anonymous Coward on 2007年08月20日 22時06分 (#1207487)
    Cox PeeWee 02を使ってみようとしたけど、やっぱ音がアレで、イロイロ試すには主に夜って人には使えないって事が判ったりしました。

    小さい割には良く回る良い奴なんだけど。

    • by Anonymous Coward
      単気筒では振動がどうしても…
      振動が気になる向きは、ロータリーのほうが扱いやすいかも。
      エアコンの室外機程度まで静かになれば、夜でも使えますね。
      • by Anonymous Coward
        そういや、OSのロータリーがガソリン対応って噂があった筈だがどうなったんだろ?

        49-PI TYPE2 [os-engines.co.jp] はグローだから違うし・・・。

        • by Anonymous Coward
          >そういや、OSのロータリーがガソリン対応って噂があった筈だがどうなったんだろ?
          日東工作所 [zero.ad.jp]のはガソリン仕様でてますね。
          原付に使えそうな大きさですがw

          #peewee02積んで、ぴーぴーいいながら歩くロボットを妄想してちょっと萌えた
  • by Anonymous Coward on 2007年08月21日 8時23分 (#1207633)
    安全とかノウハウとか考えるとそんなに特殊なものを使う訳にはいかないだろうから
    交換とか充電の工夫で運用時間の延長を図るのが妥当かな? 自動充電機能を持った
    ロボット掃除機とかありますし。

    あとはエネルギーの使い方の工夫でしょうね。既出のスーパーキャパシタとの併用で
    バッテリーをロングラン化するというのは良くある手法です。あまり馴染みが無いのは
    フライホイールなどとの併用。用途によっては効果的です。(大電流の必要が少なくなる)
    • by AcDcPwr (32146) on 2007年08月21日 9時33分 (#1207663)
      >あまり馴染みが無いのはフライホイールなどとの併用

      回転機式UPSとかですかね?
      日本では実物を見たことがないですけど、海外データセンタなどでは使っているところがあるようです。

      物としてはこんな感じで→回転機式UPSの参考 [kobelco.co.jp]

       これの装置は瞬時に蓄電池から送電するんじゃなくて、フライホイールの運動エネルギーで短時間発電機を回して、その間にエンジンを起動させて長時間の停電に対応しようという考え方の装置ですね。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年08月22日 2時38分 (#1208104)
    だいたい自作で省エネ設計なら始めから省エネのチップやら
    作動モード見て電池1個駆動とかするのでそんな使い勝手の悪い電池なんて使わない
    普通に考えてニッケル水素電池くらいでしょう。

    あんな危ない電池を個人で使うのはロボコンの連中くらいしかいないでしょ

    #ツー事で自作デバイスに降ったのは間違いだね
    #壊れたリチウムイオンバッテリーに穴を開けて使えるようにして
    #LEDのライトくらいに使ったこことがありますけど
    #腐れ電池でも半日くらいは点くだけの容量はあるようだったな
    #じゃ!
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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