自動化が進んだ未来でも人間が続けられる仕事は? 187
未来 部門より
もうすぐ高校を卒業する姪から職業に関するアドバイスを求められた。私はデータ処理の仕事をしているので、コンピューターサイエンスやコンピューターエンジニアリングの学位取得を勧めようと思ったが、ジェレミー・リフキン(The Third Industrial Revolution)やレイ・カーツワイル(How to Create a Mind)の著書を読んで、弁護士になることや建設業界で働くことよりもIT業界での仕事に就く方が本当にいいのかどうかわからなくなってきた。2人の政治的な信条は異なるものの(リフキンは環境系左派、カーツワイルはリバタリアンでトランスヒューマニスト)、両者とも今世紀半ばまでには多くの人が失業しているか、就職難に直面するといった、自動化の進んだ未来を予測している。ロボットが消費者向け製品の生産ラインでの仕事を奪う一方、GoogleやIBMが使っているようなビッグデータアルゴリズムが技術系のホワイトカラーからも仕事を奪うことになりそうだ。わずかな「ロックスター」プログラマーや、システムを維持するのに必要な管理者だけが仕事を得られる時代になるまで、あとどれぐらい残されているだろうか。政治や麻薬密売以外で、将来なくなることがない職業は何があるだろうか。未来が変えられるかどうかはわからないが、創造性は人類の最後の辺境の一つだと思われる。姪には芸術系のコースを取らせた方がいいだろうか。