
「常温核融合」は世紀の大発見?それともトンデモ科学? 110
ストーリー by hylom
なんか各所で話題になっている気がする 部門より
なんか各所で話題になっている気がする 部門より
「北大の水野忠彦氏が簡易炉で常温核融合らしき現象を確認」や、「大阪大学の荒田吉明氏が常温核融合の実証実験を成功させた」といったニュースがGizmodo Japanや2chで話題になっており、/.にも何件かタレこみが行われている。
ただ、この「常温核融合」の実験の成功について、手放しで喜ぶ意見もあるいっぽうで、否定的な見解も多く寄せられている。
(つづく...)
たとえば、幻影随想: 北大の常温核融合ネタについて調べてみたよでは、
- 原子の反応から予想される発生熱量よりも大幅に少ないエネルギーしか発生していない
- 予想される発生熱量に耐えられるような実験装置には見えないため、「成功しているように見える」結果を出すためだけの装置なのでは
- そもそも実験でなぜ熱が発生したのかを明確に追及しているようには見えない
といった、2chでの議論がまとめられているほか、「常温核融合に関わる身内の集まり」である「国際常温核融合学会」に関わる方々のみがコメントを出しており、ほかの関連学会に論文の査読やや実験結果の検証を求める、といった活動をまったくしていない、といった点から、今回の実験の信ぴょう性は低いとの結論を出している。
正直なところ、タレこみ人は今回の常温核融合の実験について懐疑的な見解を持っているため、このように否定側の意見を取り上げてしまいがちであるが、実際のところはどうなのであろうか。常温核融合について詳しい方や、今回の実験を支持する方からの意見を求めたい。
ひとまず追試待ち (スコア:4, すばらしい洞察)
科学ってのはやっぱり、「同じ条件で試したら何時誰がやっても結果が同じ」ってのが重要なわけで、
ひとまず1回(もしくは1箇所・1人)だけ「そうなった」といっただけの状態では、何も示していない
(示すことができていない)状態なわけで。
まあこの状態で地方紙に情報を流してる時点で、学術的な信頼性としてはちょっとなぁ...
という気がしてしまうのが残念といえば残念ですが。
それ以前に(Re:ひとまず追試待ち (スコア:4, 興味深い)
そもそも地方紙の記者が地元大学の研究追っかけて論文出したあたりでトピック的に記事化する事は良くあるし、北大レベルでどーなのかと言う気はするけど産学連携がうるさく言われている現在、研究の続きをやるための資金を募る意図も含めてプレスリリースを流すということは、理工系だけではなくて社会学や心理学などの文系の研究の一部でも普通にありますよ。
# と言うか、プレスリリースやったりとかして売り込みが上手い教授や助教授のいる研究室は結構リッチで
# そういうのやらない教官の研究室は淡々としてるってのが田舎の国立大では日常光景なのを、40近い私でも
# 目の当たりにしていますが…
## 某先生の研究室はWS一人当たり二台近くもあるわ冷暖房完備なのに、別の先生の研究室は空調なしで
## PC持ち込みとかふつーの光景だったんですけど…勿論科研費以外に金を持ってくるかどうかで変わる部分が大きい
Re:ひとまず追試待ち (スコア:4, 参考になる)
たしか 20年前も学術的な検討よりもマスメディアが先に立ったという記憶があります。アイザック・アシモフの「宇宙の秘密」の「ホット、コールド、コンフュージョン」を読み返してみましたが、共通点があると思います。以下は20年前の騒ぎのポイントとしてアシモフがあげているもの:
1. 査読のある雑誌に論文を送るよりも、先にマスコミに発表した。
2. 反応の全貌を公表しなかった。発表されたものだけでは追試が困難だった。(ネイチャー誌が要求した詳細の補充を拒否した)
3. 適切な対照実験をしなかった。
4. 主たる証拠として熱の発生を報告した。熱はどんな原因でも発生する。
追試待ちというのは正しい態度だと思いますが、もし金を賭けるのであればトンデモ科学に賭けますね。「熱の理由が他では説明できない」という発言が、私にはフラグがたっているように感じます。
いっぽうスリランカでは・・・ (スコア:2, 興味深い)
ちょうど2000年前後のことなんですが,スリランカ在住の著名なSF作家がTVとかで,
「これから,何かすばらしいことがおこる」
って,さかんにいってまして,私は「なにごとか!」と思ったんですが,実はそれが「常温核融合のことを言っているらしい」ってな事件がありました。彼はどうやら,インターネットで流れてた情報を真に受けたらしいのですね。さすがに私もひきつったんですが,続く情報をよくよく聞いてみると,クラーク先生は10年スパンとかじゃなくて100年,1000年スパンでの常温核融合の実現を信じていたようです。彼曰く「私がこれまでに生きていた間に起こったことと較べてみろ」てなかんじ。
今回の実験については新奇性に欠けるし,これまで否定されてきた課題に対する反証もないし。なので,スルーでOKなかんじなのですが。たとえば,
「これから100年以内に,常温核融合に必要なブレークスルーはありうるか?」
と問われれば,ちょっと否定するのが難しいなと。難易度でいえば,高温核融合の実用化とか,軌道エレベーターとかとあんまり変わらないんじゃないかとか・・・ つい。
斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
英語の勉強の時間です (スコア:4, おもしろおかしい)
真偽はともかく、ひとつ賢くなってよかったよかった。
今回の研究は科学とトンデモのインターフェース (スコア:3, 参考になる)
ということで、今回の研究はそれそのものが大発見・あるいはトンデモなのではなくて、
常温核融合について科学的に検討するための叩き台なんじゃないでしょうか。なので、これを踏まえて
再現可能性、実用性が論じられるようになってからでも、「世紀の大発見?それともトンデモ科学?」という
判断を下すのは遅くないんじゃないでしょうか。
Your 金銭的 potential. Our passion - Micro$oft
Tsukitomo(月友)
Re:今回の研究は科学とトンデモのインターフェース (スコア:3, すばらしい洞察)
村は狼に滅ぼされるのか、狼少年に滅ぼされるのか。
暢気な意見かも知れませんが…… (スコア:3, すばらしい洞察)
常温核融合の研究中に、重大な放射線事故が起きてから、じっくり考えても遅くないような気がします。
一般論ですが (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:一般論ですが (スコア:3, 興味深い)
科学者、そして科学というものに対しあまりにステレオタイプな物の見方をされてはおられませんか。
正しい方法論で行われる研究に対し、科学者は真摯なものですよ。
Re:一般論ですが (スコア:3, 興味深い)
「君らは、重箱の隅をつつくような研究はするな」(沼正作)
真偽のほどは知らないがおもしろいので (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:真偽のほどは知らないがおもしろいので (スコア:4, 興味深い)
http://www.lenr-canr.org/acrobat/MizunoTjyouonkaku.pdf [lenr-canr.org] (注意、PDFで107ページあります)
文書の最初のほう、1989年くらいまでの記述は、実験の進め方も考え方も極めて合理的であり、データも妥当な感じがしたので、常温核融合は本当に実現されたのだと思い、興奮して文書を読み続けました。
しかし、読み進むうちに、だんだん首をかしげる箇所が出てきて、例えば91年には常温核融合により、大量に熱が発生するという現象を目の当たりにして、連休にさしかかったから実験を中断するとかいうような不可解な記述も出てきます。
首をかしげるような記述は次第に増え、97年に、冷や飯を食ってる氏が同僚と二人きりで窓のない倉庫のような実験室でゴウゴウと音を立てながら、電極が火の玉のようになるまでの大電流を流す派手な電解実験をする下りに至っては、その毀れっぷりに恐ろしくなりました。
というわけで、私は氏の研究を信用していません。
Re:真偽のほどは知らないがおもしろいので (スコア:2, 興味深い)
Re:真偽のほどは知らないがおもしろいので (スコア:2, 興味深い)
同感。
というか、X線散乱の結果から動径分布関数も出さずに、赤外線の照射で水の酸素原子間の距離が変わった
などという、どう見ても間違った論文を出したりしないで、常温核融合だけやっててくれる方が嬉しいです。
少なくとも、論文の権威に騙されてろくでもない商品を買う消費者が出てくるおそれはありませんから。
Re:真偽のほどは知らないがおもしろいので (スコア:1)
# ぐえ。超微粒子トルマリンでググる [google.co.jp]と、現時点でなぜか/.Jのタグ [srad.jp]がトップに。
今度は国内発 (スコア:2, おもしろおかしい)
・・・実はミューオン核融合だったりして。
新聞記事の段階で(だから)否定? (スコア:2, 興味深い)
新聞記事になった段階、
記事で紹介された断片的内容に勝手な解釈・憶測を交えて否定するという態度が
多いのには閉口します。
正式な発表内容を知ってから否定しても遅くはないと思います。
Re:新聞記事の段階で(だから)否定? (スコア:3, すばらしい洞察)
眉唾基本として (スコア:2, 参考になる)
もちろん、嘘っぱちは排除される上でですがね。
# 物理は好きだけど、知識レベルは初歩で止まってますな。
実際問題、エネルギー関係の解決には核分裂じゃ割があわない(場合によって無駄に石油つかうとか)しねぇ。
# タキオンタイムマシンがあるといいなとか想像はするID
M-FalconSky (暑いか寒い)
歴史は繰り返す のか? (スコア:2, 興味深い)
……そして、それが間違いであると否定したのはその研究室の教授でした。
月日は流れて今、その助手は冷や飯を食わされつつも北大で研究に励んでいるそうです。
今回の結果が過去の轍を踏んで無ければよいのだが。
------
他者の追試の結果が楽しみです。
とりあえず (スコア:1, 荒らし)
Re:とりあえず (スコア:1, すばらしい洞察)
何となく本当だとは思うけど (スコア:1)
でっていう。
Re:何となく本当だとは思うけど (スコア:1)
(入力エネルギー)≪(出力エネルギー)
であれば何でもよさそうな気がします。
逆にアレゲ的(?)には、核融合で且つ、自動車にも載せられる程度のシステムであれば、エネルギー効率が極端に悪くても大喜びかも?とか思いました(笑
Re:何となく本当だとは思うけど (スコア:1)
Re:何となく本当だとは思うけど (スコア:1)
(相当な速度にまで加速してぶつけてるんで現象は高温核融合と変わらない)
Re:何となく本当だとは思うけど (スコア:1)
エネルギー源としてではなく、 小型のニュートリノ源として使えませんかねぇ……
# 対になる小型のニュートリノセンサーが無いとあんまり意味ないけど。
それよりも (スコア:1, 興味深い)
今時の若者は20年も前のことなど知らないとは思いますが
毎年、論文があったりするのだろうか・・・
Re:それよりも (スコア:1)
常温核融合を信じないわけでは無いんだが (スコア:1)
2ちゃんねるにも書いてあったが,最低限対照試験はやらないと,科学者を納得させることはできん.
Re:常温核融合を信じないわけでは無いんだが (スコア:2, 参考になる)
これ読んでたら書いてありました。
http://physicsworld.com/blog/2008/05/coldfusion_demonstration_a_suc_1.html [physicsworld.com]
Re:常温核融合を信じないわけでは無いんだが (スコア:2, 興味深い)
# というか、このモデルの助けを借りないと4Heしか出てこない説明がつけられないので、
# 実験結果を「核融合が起きている」と解釈できないわけです。
## 普通は、別の可能性を疑うものじゃないかと思いますが。
常温核融合という名前が不適切? (スコア:1, 興味深い)
融合するようなイメージを持ってしまいがちなんですが、こっち方面をやっ
ている人いわく、新種の核変換なのではないか、と言ってますね。
変な同位体を作るところまでは結構再現性があるらしいので、核融合という
名前をやめたらどうかなといつも思います。
Re:常温核融合という名前が不適切? (スコア:3, 興味深い)
……いや、ないっすよそんなもん。
この方々、昔から「○○については追試も容易で再現性もあり」とか言ってますが、
不思議な事に(いや、不思議でもなんでもないんですが)身内の方々以外が実験
するとほとんど追試に成功しないという。でも身内の人たちが(まったく同じ
構造の装置で)追試するとなぜかそれなりの頻度で再現されます。
とりあえず、言ってる事がころころ変わるんで追いかけさせられると疲れます。
(何かの結果が決定的に否定される追試が出る度に、「いや、実はわれわれが
見ていたのは○○という現象であって……」となる)
#昔に嫌々追試をやらされたAC
Re:常温核融合という名前が不適切? (スコア:2, 参考になる)
この手の話が好きな人には常識でしょうが、N線の話なんか非常に示唆的。
Re:常温核融合という名前が不適切? (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:常温核融合という名前が不適切? (スコア:1)
>名前をやめたらどうかなといつも思います。
フライシュマン=ポンス反応
両教授がやったことを追試しようとしているんだからこれでよかろう
実用性が有れば何でもいいと思う (スコア:1)
核融合が期待されているのは、まず新しいエネルギー源なので・・。
・・・政治家はエネルギー源よりも爆弾のほうがいいのか?
Re:実用性が有れば何でもいいと思う (スコア:1, すばらしい洞察)
利権を忘れてますぜ。
早稲田の松本事件といい (スコア:1, 参考になる)
Re:早稲田の松本事件といい (スコア:4, すばらしい洞察)
そりゃそうでしょ.ずっと「もっと競争的資金を増やして,運営費交付金を減らしましょう」みたいな方針に進んできたんだから,研究者が必死で金を集めようとするのは当然だし,「すぐ役に立つことが目に見えない研究には予算をつけません」みたいなことになっちゃってるから,一般人の目に見える範囲では「金集めのようにしか見えない研究」の率が高くなるのも当然.キミ,世間の無名大学の人々が予算も取らずに細々とやってる研究の数々なんて全然知らないでしょ?
現状から競争的資金も減らせというのであれば,「日本は科学研究には投資しません.もう科学技術は必要無いです」という宣言をすることになるけど.まさか「これからの日本は金融で食っていきます」って方向を目指すの?
Re:技術を学ぶ者として (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:技術を学ぶ者として (スコア:1, すばらしい洞察)
兵器に使える技術が一流の技術なのです。
兵器に使えないような技術は二流の技術です。
兵器も作れないメーカーは一流のメーカーではありません。
兵器そのものを作れるメーカー、または
例えばステルス機の塗料のように、兵器に採用されるほどの
製品を(たとえ民生品であっても)作れるメーカーこそが
一流のメーカーなのですよ。
Re:技術を学ぶ者として (スコア:1, すばらしい洞察)
二流と言うことですね。
すばらしい意見だと思います。
でも、それは人間としては二流の意見だと思います。
Re:技術を学ぶ者として (スコア:3, すばらしい洞察)
>二流と言うことですね。
申し訳ないが、それは技能じゃないかな・・・
技能を技術に変換できる汎用的な手法があれば、それは(兵器に限らず)開発の一つの手法としてなり得ます。
一般に言われる技術(固有技術)ではなく、日本人に欠けていると言われているらしい、管理技術と呼ばれる分野でしょうけどね。
#一流二流ってのが乱暴だというのは同意しますよ・・・
Re:技術を学ぶ者として (スコア:2, 興味深い)
18世紀頃、スコットランドのバグパイプは、武器として禁止されていた [sound.jp]そうです。
#殴りあうとかではなく、戦意高揚のために使われてたわけですが。
Re:技術を学ぶ者として (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:真偽は知らないが (スコア:1)
Re:発熱の理由 (スコア:4, 参考になる)
まず第一に、実験装置のセットアップが精密な実験を行うという観点からみれば
論外なレベルのような。通常こういった熱量測定の場合、加熱に要するエネルギー
を直接制御する事で与える熱量を規定し、さらに装置自体を断熱の良いもので隔離
して温度を測定することで発生/吸収した熱量を求めます。また同時に対象試料を
用意し、何かの条件一つだけを変えることで測定しようとしている現象が起こら
ないようにし、それとの差分をとることとなります。
が、今回の実験は(と言っても詳細な記録が提出されていないので、数少ない
伝聞/発表資料のみからの判断となりますが)、まず加熱の停止を単純に
「○○度に達したらヒーターOFF」ということでやっていますが、この場合、
加熱部位と測温部位とが離れている、またヒーターは安全のため断熱材や絶縁体で
囲まれているため熱伝導が悪く、急激な加熱を行うと測温部の温度<熱源の温度、
となり、ヒーターを切った後も温度が上がり続けます。
(いわゆるオーバーシュート。構造にもよりますが、10-20分とかかなり長時間に
わたってじわじわ温度が上がり続けることもあります)
また、触媒として(白金はともかく)硫黄を加えているのも気になるところ。
硫黄は不飽和結合や鉄等と反応しますので、余計な反応が混ざる危険性が高い。
本当に触媒的に働いているならば、それを示すために硫黄が反応していないことを
示さんといかんのですが(とりあえず加えた量がわからないんで問題になる量か
どうかも不明)
まあとにかく、「それだけセンセーショナルなことを本当に信じてもらいたいんなら
もうちょっとまともに実験しろよ」、という感じです。
13CやNに関しては「たくさん出てきた」と言っているものの出てきた
量や検出方法がわからなかったので保留。きちんとした対照実験で比較しているなら
いいんですが、そうでないと用いた器具やガス・試薬からのコンタミもあり得ない
話じゃない(っても出てきた量とかがわからんのでここでは議論できませんが)ので。