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恐竜が代謝による体温調整を行っていたことを示唆する研究成果

タレコミ by headless
headless 曰く、

イェール大学を中心とした研究グループによれば、恐竜が代謝による体温調整を行っていたことを示唆する研究成果が得られたそうだ(YaleNewsの記事論文)。

これまで恐竜の体温を推計するには、不確実な成長率と体温の関係や、母液の同位体構成に依存する酸素同位体比法が用いられてきた。今回の研究では重い同位体同士が結合した「凝集同位体」を含む分子の存在度が温度によって変動する仕組みにより温度を推定する炭酸凝集同位体温度計を使用。恐竜の主要な分類群である鳥盤類・竜脚形類・獣脚類の保存状態の良い卵化石を用い、母体内で卵殻が形成されたときの温度から体温を推定している。

ルーマニア・ハツェグ地域で発掘されたマジャーロサウルスなどティタノサウルス類(竜脚形類)の矮小種とみられる卵化石サンプルでは、母体の体温が36℃±1℃と推定される。この体温は現存する内温動物の体温の範囲内(34℃~44℃)に収まり、気候モデルによる発掘地の古緯度における当時の年平均気温(~30℃)を上回っている。

カナダ・アルバータのオールドマン層で発掘されたトロオドン(獣脚類)の卵化石サンプル(3点)から推定される体温は38℃±4℃・27℃±4℃・28℃±3℃、マイアサウラ(鳥盤類)の卵化石サンプルから推定される体温は44℃±2℃となる。トロオドンの体温の最高値とマイアサウラの体温は現在の内温動物の体温範囲内に収まり、軟体動物の殻から推定される発掘地点の最高温度(25℃±1℃および28℃±2℃)を大幅に上回るとのこと。

今回の研究で推定された恐竜の体温と、オビラプトロサウルス類や大型の竜脚類に関する過去の研究とを組み合わせることで、代表的な恐竜の3分類すべてが環境温度よりも体温を高くしていたことを示すものであり、鳥類の代謝による体温調整の仕組みが恐竜から受け継がれたものであることを示唆するという。また、羽毛を持つ恐竜は、体の小型化に伴って体温維持が重要になったことで選択的に出現した可能性もあるとのことだ。

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